終了【1/18(水)】第89回わだい浪切サロン「デジタルカメラのしくみ」
公開日 2017年01月18日
日 時: 2017年1月18日(水)午後7時~8時30分
場 所: 岸和田市立浪切ホール 1階 多目的ホール
話題提供 : ? ??野村孝徳 システム工学部教授
参加無料?申込不要?
スマートフォンや携帯電話にもついているデジタルカメラ。旅の記録はもちろん、日常生活の記録に使っている人も多いことでしょう。「デジカメ」を知らない人はいないといってもいいくらい、普及しています。
ところで、みなさんはデジカメについてどれくらい知っていますか。本サロンでは知っているようで知らないデジカメの仕組みや歴史を紹介します。家電量販店などにおいてある、デジカメパンフレットに書かれている用語などを工学的(光学的)な観点から実例を交えて説明します。仕組みを知るとこれまでよりもいい写真が撮れるようになるかも!?
マークをクリックするとチラシが開きます。
?
開催レポート
参加者51名
【概要】
○デジカメの歴史
デジタルカメラは、諸説あるが、1995年にカシオから発売された「QV-10」が最初のデジカメだと言われています。その頃の画素数(画像を構成する最小単位ピクセル)は、7.68万画素でした。
その後、時代と共に画素数はどんどん上がり、今では1600万、1800万画素など高解像度のデジカメが多く出回っています。
○デジカメのしくみ
旧来のフィルムで撮影する(銀塩)カメラとデジカメは、それぞれ次のようなしくみで撮影できます。
?銀塩カメラ 光(色)の分布を化学反応によって記録
?デジカメ 光(色)の分布を電気信号によって記録
原理として、デジカメは撮影から記録まで、全ての工程を電気で処理しなければならないのが大きな違いです。
デジカメでは、フィルムの代わりにCCDやMOSセンサーという撮像素子(デジカメのレンズの接続部)を利用しています。
画像をどのようにしてつくりだすのかというと、センサーに光の3原色(青?緑?赤)を規則的に配置し、1画素ごとに1色を感知するようにできており、その集合体で画像をつくりだしています。
人間の目は、緑に最も敏感で、緑が一番見やすい色です。そのことから、3原色の中でも緑が多く配列されていると言われています。この方式は、アメリカのコダック社のベイヤ-が発明したことからベイヤ-方式と言われ、今のデジカメの多くが採用しています。
また、画素数が大きいとカメラの性能がよいように感じますが、実際のところは、ある程度の画素数があればよく、今出ているデジカメの画素数は十分すぎるくらいだそうです。
○ぶれ防止について
ぶれの要因は、手ぶれ、被写体が動くなどが挙げられます。
デジカメでは、その対策として、手ぶれ防止機能が開発されました。
レンズやセンサーを移動させて、ブレを打ち消すような方式が考えられました。
デジカメの電池の消耗が早いのは、記録する時などに消費するだけでなく、この手ぶれ防止のためにセンサーを働かせるなど、常に電気を消費しているためです。電池の消耗を少しでも抑えるのであれば、手ぶれ防止機能をオフにします。
被写体が動いて、ぶれることに対しては、被写体の動きを止める、速いシャッター速度に設定するなどがあります(絞りを開ける、高感度(ISO感度)にする)。
【アンケートより】
?資料の後ろの方まで講義を聞きたかったので、もう少し時間があればよかった。先生の声の大きさや話し方はとても聞き取りやすかった。デジカメ一眼を使っていますが、仕組みはわからなかったが、講義を聞いて少し理解できるようになりました。(60代?女性)
?普段何気なく使っているデジカメですが、その仕組みについて概略を知ることができ、今後より良い写真が撮れる気がしました。また、野村先生のお話も非常に面白く、聞きやすく、興味深い内容でした。今回収まりきれなかった内容については、ぜひ改めてお話を聞ける機会があればよいと思います。(シリーズ化を期待しています。)ありがとうございました。(30代?男性)
?ヒトの目は赤より緑のほうが認識しやすいことがわかりました。画素数だけでカメラの選択は避けるべきだとわかりました。(40代?男性)
?
(前回)第88回 「『世界一貧しい大統領』を生んだ小さくともキラリと光る国」(開催レポート)