【開催レポート】第148回わだい浪切サロン「こんなに役立つ観光の魅力~観光であなたのまちの魅力を創るには?~」
公開日 2023年08月05日
第148回わだい浪切サロン「こんなに役立つ観光の魅力~観光であなたのまちの魅力を創るには?~」を下記のように開催しました。
話題提供|松田 敏幸氏(和歌山大学観光学研究科特任教授 )
開催日時|2023年7月19日(水)19時?20時30分
開催方法|南海浪切ホール1階多目的ホールおよびオンライン講演(ハイブリッド開催)
参加者数|対面参加者名 オンライン39名 会場参加者25名 合計 64名
講演内容|
今回は松田敏幸先生に観光とまちづくりについて、長らく携わっておられた宇治市での経験を踏まえてお話しいただきました。
観光にも経済効果などプラスの側面と観光公害のような負の側面がある。また観光は、直接観光事業に携わっていない人にも観光の効果を及んでいる。
観光に税金を使って投資する価値(使用価値)の中には受動的使用価値というものがある。
その地域の住民にとって愛着の出来るもの(例えばだんじり文化や城など)の持つ受動的使用価値が、すなわち市民としての誇り(シビックプライド)につながる。
そういったシビックプライドの持てるものに焦点を当て、岸和田らしさ宇治らしさのある観光計画やまちづくりが望ましいのではないかとのお話でした。
参加者からは「とてもわかりました。さすが実務されていた先生ですね」などの感想や、下記の表のようにたくさんの質問が寄せられました。
松田先生からサロンでの講演後、下記のように質問にご回答をいただいています。
① | ◆講演を終わってのご感想、参加者の皆様へ何かございましたらご記入ください | |
皆さん熱心に聴いていただきありがたかったです。これからも観光の面白さを伝えていければと思っています。 |
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② | ◆ここが言い足りなかった(補足や参考資料に関する言及など) | |
観光の効果は様々ありますが、やはり地域の魅力の向上という面が、地域の多くの人にかかわる項目だと考えています。岸和田市や宇治市において、そのような効果をもたらす具体的取り組み事例はどういったものか、一緒に考えていければと思います。 |
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③ | ◆質問に対するご回答など | |
質 問 | 回 答 | |
宇治も岸和田も宿泊施設が少ない土地ですが、滞在系の観光コンテンツの必要性は感じますでしょうか。 | 宿泊が伴うと観光消費額は一気に上がるため、宿泊施設誘致活動をされる地域も多くあります。 ただ、観光客がその地域に宿泊したくなるかどうかを先に考える必要があります。つまり、自分たちの地域の特徴をよくつかんでからとなります。それには、宿泊?滞在系の夜や朝のコンテンツの魅力向上が必要となってきます。 |
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近隣地域との連携など、どのようにエリアで集客したことがありますでしょうか? | 有名なところでは、中部地方の愛知県?岐阜県?富山県?石川県を南から北へと縦断する観光ルート「昇龍道」があります。 私の関わった例では、京都縦貫自動車道の開通を機に、京都府内の舞鶴市?亀岡市?宇治市の3地域が連携した取り組みを進めています。海鮮?温泉?抹茶と、それぞれ特徴の異なる地域が連携することで、観光客の多岐にわたる要望を受け入れやすくなりました。観光客(特にンバウンド)の方に地域を売り込む際必ず言われた、「次にどこに行けますか」がきっかけでした。 |
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経済効果の実績数値等はコロナ禍前の数値計算であったように思いますが2022年度とのコロナを挟んだ今に近い数値実績との比較はまだできないものでしょうか。 | 経済波及効果の算出には産業連関表を用いるのですが、その基礎となる統計調査(経済センサス)は令和3年6月1日時点の調査が行われたところで、今後集約されていくことになります。現在は平成27年(2015年)産業連関表が最新のものとなるため、直近の実績数値等は算出できていません。 | |
京都市のバスの混雑などは大変ですね。どんな対策されてますか。 |
前乗り後降り方式の導入や大型手荷物対応車両の導入、観光系統と生活系統の分離などを進められています。 | |
市民のプライドを醸成させることが重要というのはよく理解できましたが、そのための具体的なアクションがあれば教えて下さい。 | やはり、市民の方々に自分の住んでいる地域の魅力を感じてもらうところからになると思います。宇治市の事例では、世界遺産平等院のライトアップに市民のみ参加できる取り組みなどを行ってきました。この取り組みを通じて、地元の観光資源には行かない方が多いこともわかりました。 | |
歴史や観光目線のyoutuberなどが自治体からの観光案件を狙う際、観光課などに伺うのと、観光振興団体に話をしに行くのとではどちらが実現性や協業の面でおすすめでしょうか? | それぞれの地域で行政とDMOや観光協会などの観光振興団体の関係性や役割分担は異なるため、訪問先はどちらから行くのがよいかということはないかと思います。 |
講演風景
以上