第13回ワダイノLIVE 「地下に眠る、都市のチカラ 災害と資源、暮らしを支える、下水道の話 」
公開日 2025年11月22日
【ワダイノLIVEとは…】
「わだい浪切サロン」は、R6年4月より「ワダイノLIVE」として生まれ変わりました。
”mini和歌山大学”として、地域のみなさまに旬のトピックスや最新の研究について、ワダイノ研究者らが、わかりやすく話します。参加費は無料、どなたでもご参加いただけます。
【講演概要】
都市の下水道という存在は、ふだん人々の意識から最も遠い場所にありながら、都市の生命維持に欠かせない“循環の要”である。水環境を保全し、洪水を防ぎ、都市の基盤を静かに支え続けるこの仕組みは、私たちの暮らしの背後で膨大な働きをしている。

近年、下水道は単なる排水設備ではなく、SDGsの観点からも新たな意味を帯びつつある。
再生可能エネルギーの供給拠点として、あるいはリンや肥料といった資源を生み出す“都市の資源循環装置”として、その潜在力は拡大している。さらに、大規模災害時には避難のための空間としても利用可能であり、都市のレジリエンスにおける重要性も増している。
一方で、道路陥没を引き起こすような事故が発生している現実が示すように、この地下インフラは、適切な維持管理なくして成立しない綱渡りの構造でもある。私たちはその危うさと価値の両面を、もっと深く認識する必要がある。
本講演では、下水道が現代都市にもたらす機能と課題、その未来的役割までを俯瞰し、“都市を支える地下の世界”を多角的に見つめ直す機会としたい。
【貫上佳則先生プロフィール】

大阪公立大学 大学研究科 工学研究科の貫上佳則(かんじょう よしのり)教授の歩みをたどると、ひとつの一貫したテーマが見えてくる。それは「都市という巨大なシステムの裏側を読み解く」という姿勢である。
京都大学で水環境と下水道の仕組みに向き合ったあと、大学院修了後、大阪市立大学(現?大阪公立大学)で研究者としての道を踏み出した。そこで先生が取り組んだのは、都市の水をどう浄化し、どう循環させるかという、社会の基盤そのものに関わる問いである。
助教授、教授と進む中で、先生は“都市リサイクル工学”という領域を担い、水や資源の循環を、都市という生命体の新陳代謝として捉える視点を磨いてきた。同時に、大学の副研究科長?副工学部長として、大学統合という大きな制度改革にも身を置き、現場と組織運営の双方を見据える稀有な研究者としての幅を広げている。
今日、貫上教授が見つめるのは、下水道が秘める“未来の可能性”である。
安全、循環、環境。都市の根幹を支えるその仕組みが、これからどこへ向かうのか―その研究は、その問いに静かに、しかし確実に光を当て続けている。
【第13回ワダイノLIVE@Kishiwada概要】
タイトル|「地下に眠る、都市のチカラ 災害と資源、暮らしを支える、下水道の話」
話題提供|貫上 佳則氏 大阪公立大学工学研究科教授(桃山学院大学工学部教授 2026年度着任予定)
日 時|2026年1月21日(水)19時?20時30分 開場:18:50?
開催方法|岸和田市中央地区公民館4F 多目的ホールおよびオンライン講演(ハイブリッド開催)
定 員|会場:80名程度 オンライン:100名程度(いずれも先着順)
申込方法|下記のURLからお申し込みください。
申し込みURL:https://forms.gle/kpMUUxkdDWMRczDs7
お電話(072-433-0875)でのお申し込みも可能です。
※お電話の場合は(1)氏名(必須)(2)電話番号(必須)(3)メールアドレス(4)年齢
(5)お住まいをお知らせください。
※お電話の受付時間は、火曜?土曜 10時?17時です。
※会場参加が定員に達し次第、オンライン参加のみの受付となります。
申込期限|2026年1月20日(火)17時


