自然災害に対して “しなやかに対処する力=レジリエンス (resilience)„ を地域の皆様と共に創り上げていきます。
災害科学?レジリエンス共創センターは2020年4月に活動を開始した新しいセンターです。しかし、その流れは古く、2004年5月に和歌山大学の知的資源を最大限に活用し、自治体等と連携しながら地域防災力の向上を推進する和歌山大学防災研究教育プロジェクトを教職員の有志により立ち上げたのが始まりです。プロジェクト発足から6年の活動実績を踏まえ、2010年4月に防災研究教育センターが設置され、さらに2016年4月に更なる発展を目指して災害科学教育研究センターが設置されました。そして、防災研究教育センターが設置されてからちょうど10年目の2020年4月に災害科学?レジリエンス共創センターとして新たに活動を開始しました。
災害科学?レジリエンス共創センターは、自然災害とその被害軽減に関する研究に取り組んでいます。そして、その研究成果を地域社会に還元?実装し、減災活動にかかわる人材の養成および地域連携を通じた地域防災力の向上に貢献することを目的としています。
「レジリエンス」と「共創」
レジリエンス(resilience)には、復元力、回復力、弾力性という意味があります。弾力性があるゴムが、力をかけると変形しますが、力をぬくと元の形に戻ろうとします。このような性質を被災地の被害の度合いと重ね合わせ、災害を受け止めつつ、災害後に速やかに復旧?復興していく力、それをレジリエンスと呼んでいます。自然災害やその被害軽減、そしてレジリエンスに関する研究成果や知見は、地域に還元してこそ役立ちます。地域社会と大学とで連携をはかりながら、みなで共に創りあげていく「共創」が非常に重要です。
この二つのキーワードを名前に冠する災害科学?レジリエンス共創センターでは、地域に貢献する防災?減災に関わる教育?研究活動に防災研究教育プロジェクト 取り組んでまいります。
センターの活動内容
災害科学?レジリエンス共創センターでは、大きく4つのテーマで活動しています。
観光地防災の社会実装研究
観光立県をめざす和歌山県においては、観光地や観光客を対象とした防災?減災への取り組みも重要な課題となっています。鉄道などの公共交通機関利用客の避難訓練や、地域の大地の成り立ちと防災を学ぶ防災ジオツアーなどの社会実装に取り組んでいます。
防災を通じた産業イノベーション
防災?減災の取り組みを具体的に社会実装するためには、新たな技術開発やサービス創出も必要となります。災害時に役立つ情報や避難経路を載せた防災マップを地域で協力しながらWeb上で作成するアプリケーションや、低消費電力で長距離通信可能な無線通信技術を利用した河川水位観測システムなどの開発に取り組んでいます。
防災?減災?復興の担い手づくり
地域における防災?減災の活動を持続するためには、将来の担い手づくりが必要不可欠です。学生を対象とした防災?減災関連講義の充実や、学生?教職員のボランティア活動に対する理解?参加を広めるために防災士養成プログラムの実施に取り組んでいます。
和歌山大学の更なる防災力強化
和歌山県で大規模災害が発生した場合には和歌山大学も被災します。大学も被災することを前提に、地域とともに災害にどのように対応していくべきか、大学の防災力強化のために、地域の社会福祉協議会との連携や、学内に災害ボランティアステーションの設置などに取り組んでいます。
和歌山大学災害ボランティアステーション
和歌山大学は研究?教育の知見を活かして、教育機関として「防災?減災?復興の担い手づくり」に取り組み、地域に貢献することを目指しています。その活動のひとつとして、学生、教職員が参加する災害ボランティアステーション(愛称:むすぼら)を開設しました。