新しい技術を創り出す
本クラスタでは、物質を構成する原子?分子を思いどおりに配列?操作して、新たな機能を持つ材料やデバイスを創り出すことを目指します。特に、ナノレベルでの物質の物理的理解に基づいて、新規物質の合成、種々の物性の先端的計測、新機能発現とデバイス応用など、ナノテクノロジーの核となる教育研究を行います。主な教育研究内容は、以下の通りです。
- 様々な無機?有機物質系の物性に関する理論解析と新規ものづくり提言
- 物性物理の基礎から、新規ナノ物質の光?電子?スピンによる機能性に至る、幅広くかつ先進的な教育?研究
- 無機および有機半導体薄膜の高機能化を目指した材料?プロセス技術の開発とそれらを用いた新規な光?電子デバイスの開発
- 導電性有機結晶の開発、結晶構造の予測
研究分野
無数の原子、分子から構成される物質の性質は、必ずしも原子、分子の性質とは同じではありません。例えば、ダイヤモンドと黒鉛は同じ炭素から作られているにも関わらず、その色も性質も大きく異なります。その原因は、物質中の原子、分子の並び方(秩序)が異なることに起因します。物質の性質を決めている原子、分子の配置を刺激で変えてしまう事ができれば、絶縁体であった物質を金属にしたり、半導体の特性を変化させたりすることが可能になります。我々は、このような性質を持つ物質をアクティブマテリアルと定義し、その性質を司る物理の解明、新しい機能を示すアクティブマテリアルの開拓、アクティブマテリアルの性質の制御方法の開発を研究しています。また、木材資源からバイオエタノールを経てナノカーボンを作り、電気?電子分野で活用するための研究を行っています。
光と物質の相互作用が引き起こす様々な現象について理論的な研究(モデル解析と第一原理計算)を行っています。特に光で物質の特性を制御する方法、逆に物質で光を制御する方法の開発をめざしています。
電子材料はエレクトロニクスの基礎となる材料で、その代表である半導体はLEDやトランジスタなどの光?電子デバイスに応用されています。われわれは半導体薄膜の構造や性質を制御して機能性を発現させ、それをデバイスに応用することを目指し、酸化物、有機材料、アモルファスなどの新しい半導体材料を中心に研究を進めています。
光機能?ナノ材料グループでは、光により機能性を発するナノ材料を創生し、また、光に対する応答現象について実験的に明らかにする研究をしています。量子ドットやフォトニック結晶といったナノサイズの対象物から、分子性結晶や酸化物結晶などのマクロな物質系までを対象とし、発光現象やスピン応答を、可視光はもとより近赤外光から真空紫外光までの広い範囲で探索します。さらに、得られた現象から期待される応用についても研究しています。
研究室では、新規導電性有機結晶の開発と、粒子間相互作用の研究、及び新しい結晶構造予測法の開発を行っています。導電性有機結晶の開発は、超伝導物質等の発見にもつながりうる研究であり、また新しい結晶構造予測法の開発は、原子や分子を指定すれば、それが結晶となったときにどのような結晶構造をとるかを多形も含めて予言しようという研究です。
担当教員
氏名 | 役職 | キーワード |
---|---|---|
尾崎 信彦 (オザキ ノブヒコ) |
教授 | 半導体量子ドット、結晶成長、ナノフォトニクス |
木曽田 賢治 (キソダ ケンジ) |
教授 | 原子層科学、ナノテクノロジー、ラマン分光 |
宮口 智成 (ミヤグチ トモシゲ) |
教授 | 統計物理学、非線形力学、応用数学 |
山門 英雄 (ヤマカド ヒデオ) |
教授 | 導電性化合物、粒子間相互作用、固体表面、結晶構造予測 |
秋元 郁子 (アキモト イクコ) |
准教授 | 光物性、レーザー分光、電子スピン分光 |
宇野 和行 (ウノ カズユキ) |
准教授 | 光デバイス、電子デバイス、半導体結晶成長 |
小田 将人 (オダ マサト) |
准教授 | 物性理論、第一原理計算、光吸収スペクトル |